2009年4月9日

離礁

国土交通省のウォッチ図は大変重宝する政府のウェブサービスの一つで、僕自身とても助かっている。海での利用に関しても、満足度が高いんです。それは、ここにある地図は、例えばヤビジの離礁群が詳細に図示されているうえ、それぞれの離礁の名前も(ある程度)きちんと記されているなど、質は違えど海図のような情報量だから。ところが、地元を訪れた際、この離礁の名前について話をしたりすると、出るわ出るわ、地図の記されている以上の場所にも名前がわんさとあるというのだ。例えば、イケマとオオガミの間の比較的狭い海域にも沢山の名前を持つ離礁があるのだが、地図にはそのうちの幾つかしか記されていない。

寂しいことに、この離礁の名前というのは、地元でも一部のウミンチュにのみ伝わっているようで、例えば若くないウミンチュの頭には入っているのだが、そもそも後継者が少なく、さらにはその後継者には事細かな離礁の名前が継承されていないのだ。他方、ダイビング業者がダイビングポイントにブルーなんちゃら、ホワイトうんたら、なんて外国人に向かって説明するには恥ずかしい名前がわんさと付けられ、記録されつつある。こういった名付けには物語が無くていかん!おめぇらの頭にゃ色事しかないのくぁぁ!はぁ、はぁ、はぁ。

さて、以前の投稿で幾つかの、(何かが?)楽しそうな海域の大きさを比べたことがあったが、ケラマなどと比べヤビジは思った以上に、また船で廻ったこともあるがそのとき得た感覚と違い、狭い。ヤビジのような狭い範囲の其処此処に名前があるのなら、ナカグシクのような海域にはどれほどの名前がついてるのかと想像すると、わくわくする。現に、セキセイショウコでは、それこそヤビジのように名前がつけられていて、それはウミンチュにとっては商売としての意味を持ち、すなわち企業秘密でもあるのだそうだ。セキセイショウコの地図を作ってみたいと、資料を幾つか集めてみてはいるが、これは個人的に楽しむことにしている。ケラマやタラマの海に付けられた名前については、地元で紹介できるくらいは集めることができた。集められたのは、それぞれの地元が積極的に情報を集め、記録し、広めてもいるからで、地元が価値を認めているということだろう。これも、いつか此処で紹介したい。ナカグシク、どうした!

時代がすっかり変わってしまう前に、僅かとなった後継者の記憶から消えてしまう前に、いそいで海の住所録を作成しよう。

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